パーキンソン病の自費リハビリ|保険リハビリだけでは足りない方の運動の続け方を理学療法士が解説

パーキンソン病で運動量を確保するなら、保険リハビリと併用できる自費リハビリが選択肢のひとつです。この記事は、パーキンソン病と診断され、今のリハビリだけでは運動量が足りないと感じている方と、そのご家族に向けて書いています。
パーキンソン病は、体を動かし続けることが大切とされる病気です。しかし保険のリハビリは回数や時間に限りがあり、症状が軽い時期はリハビリを受ける機会自体が少ないこともあります。
この記事の要約
- 回数の上限や介護保険への移行など、保険リハビリだけでは運動量が足りなくなりやすい理由を整理
- すくみ足や小刻み歩行など、進行度に合わせた自費リハビリの活用法を理学療法士が解説
- 保険リハビリや介護保険サービスと組み合わせて、運動を続ける方法がわかる
みなみストレッチスタジオでは、現在オープン記念として通常6,000円のカウンセリングを無料で実施しています。今の体の状態と、無理のない運動の頻度を一緒に確認してみませんか。
本記事は、みなみストレッチスタジオ代表・理学療法士の櫻井佑樹が執筆しています。医療現場でのリハビリ経験を活かし、岡山市南区にて整形外科と連携した自費リハビリスタジオを運営しています。長く付き合う病気だからこそ、運動を続けるヒントになれば幸いです。
パーキンソン病はリハビリを「続けること」が大切な病気

パーキンソン病は、薬による治療と並んで、リハビリが大切な役割を担う病気です。ここでは、パーキンソン病の動きにくさの特徴と、運動を続けることの意味を整理します。
パーキンソン病特有の動きにくさ(すくみ足・小刻み歩行・前かがみ姿勢)
パーキンソン病では、手足のふるえ、筋肉のこわばり、動作がゆっくりになる、体のバランスがとりにくくなるといった症状があらわれます。こうした症状は、日常の動作に次のような形で影響することがあります。
- すくみ足:歩き始めや方向転換のときに、足が床に張りついたように出にくくなる
- 小刻み歩行:歩幅が小さくなり、すり足のような歩き方になる
- 前かがみ姿勢:背中が丸まり、体が前に傾きやすくなる
- 突進歩行:歩いているうちに足が速まり、止まりにくくなる
これらは転倒のきっかけになりやすい一方で、床の目印やリズムなど外からの手がかりを使った練習によって、動きやすさにつながるケースがあるとされています。
体を動かさないことで起こる悪循環
体が動かしにくくなると、外出や運動がおっくうになり、活動量が減りやすくなります。活動量が減ると筋力の低下や関節の硬さが進み、さらに動きにくくなるという悪循環が生まれます。この流れが続くと、生活の範囲が狭まり、介助が必要な場面が増えていく可能性があります。
リハビリで期待できること
日本神経学会の「パーキンソン病診療ガイドライン2018」では、リハビリは薬や手術による治療に加えて行うことで、症状の改善や生活の質の向上が期待できる治療法と位置づけられています。
リハビリによって期待できるのは、筋力や関節の動く範囲の維持、歩行やバランスの安定といった運動面の変化だけではありません。体を動かす習慣によって、睡眠の質の改善や、腸の動きが活発になることによる便秘の予防・改善も期待できるとされています。運動は、パーキンソン病と長く付き合っていくための大切な土台のひとつです。
薬が効いている時間に運動する大切さ
パーキンソン病の薬は、飲んでから時間が経つと効果が弱まり、動きにくくなる時間帯があらわれることがあります。薬がよく効いて動きやすい状態は「オン」、効果が切れて動きにくい状態は「オフ」と呼ばれます。
運動は、できるだけ体が動きやすいオンの時間帯に行うと、安全で効果的に取り組みやすくなります。服薬の時間と運動の時間を合わせて考えることが、パーキンソン病のリハビリならではのポイントです。
保険リハビリだけでは運動量が足りなくなりやすい理由

パーキンソン病のリハビリは、制度上、脳卒中などとは扱いが異なる部分があります。ここでは、保険リハビリだけでは運動量が足りないと感じやすい背景を整理します。
早期はリハビリを受ける機会そのものが少ない
パーキンソン病は、症状が軽い早い段階から運動に取り組むことが大切とされています。しかし症状が軽い時期は、日常生活に大きな支障がないこともあり、リハビリを受ける機会自体が少ない傾向があります。早期から運動に取り組める場が十分ではないという指摘もあり、「何かしたいけれど、どこで何をすればいいかわからない」という状態になりやすい時期です。
条件によっては、算定日数の上限を超えて続けられる場合がある
医療保険のリハビリには、脳血管疾患で180日、運動器疾患で150日という算定日数の上限があります。ただし、国が定める一定の条件にあてはまり、リハビリを続けることで状態の改善が見込まれると医師が判断した場合などは、上限を超えて続けられることがあります。パーキンソン病のような進行性の神経疾患は、この条件の対象になる場合があるとされています。
そのため、パーキンソン病では「180日でリハビリが必ず終わる」とは限りません。実際に続けられるかどうかは、主治医の判断や医療機関によって異なります。
回数の上限や介護保険への移行で、個別の運動時間が限られる
一方で、上限を超えて医療保険のリハビリを続ける場合、状態によっては月13単位(1単位は20分)までといった回数の上限が設けられるケースがあります。また、要介護認定を受けている方は、原則として介護保険のリハビリが優先され、デイケアなどに移行することが一般的です。パーキンソン病は介護保険の特定疾病にあたるため、40歳以上65歳未満の方も要介護認定の対象になります。なお医療機関によっては、パーキンソン病などの難病の方を対象に、グループ形式で行う保険のリハビリを実施しているところもあります。
状況ごとの扱いを整理すると、次のようになります。
| 状況 | 保険リハビリの主な扱い | 起こりやすいこと |
|---|---|---|
| 症状が軽い早期 | リハビリが処方されないこともある | 運動に取り組む場が見つかりにくい |
| 医療保険で継続中 | 条件によっては上限を超えて続けられる | 回数の上限で運動量が限られることがある |
| 要介護認定を受けている | 原則として介護保険のリハビリが優先 | 集団中心になり個別の時間が減りやすい |
制度上は続けられる場合でも、「週に何回、どれだけ体を動かせるか」という運動量の面で物足りなさが残りやすいのが、パーキンソン病のリハビリの特徴です。保険リハビリの扱いは医療機関や地域、ご本人の状態によって異なりますので、詳しくは主治医や担当のケアマネジャーにご確認ください。制度のすき間が生まれる背景については、リハビリ難民の原因と選択肢を解説した記事でも詳しく整理しています。
櫻井佑樹(理学療法士)「できるだけ毎日体を動かしたほうがいいと言われたけれど、リハビリに通えるのは月に数回だけ」というご相談をいただくことがあります。パーキンソン病は、続ける頻度そのものが大切な病気だと感じています。保険のリハビリを続けながら、足りない分を補う場所として自費リハビリを使っていただく。そんな考え方があってもよいと思います。
進行度別にみる自費リハビリの活用法

パーキンソン病の進行度は、一般的に「ホーエン・ヤールの重症度分類」で表されます。段階によって体の状態や優先したい目標が変わるため、自費リハビリの活用法も異なります。
| 段階 | 体の状態の目安 | 自費リハビリで取り組みたいこと |
|---|---|---|
| 1〜2度(早期) | 片側または両側に症状があるが、バランスは保たれている | 運動習慣づくり・体力と柔軟性の維持 |
| 3度(中期) | バランスがとりにくくなるが、日常生活はおおむね自立 | 転倒予防・歩行とバランスの安定 |
| 4度(進行期) | 立つ・歩く動作に介助が必要な場面が増える | 生活動作の維持・介助負担の軽減 |
早期(ホーエン・ヤール1〜2度):運動習慣づくりと体力の維持
早期は、運動機能が比較的保たれている時期です。この段階では、全身を大きく動かす運動や、背骨や体幹の柔軟性を保つ運動を習慣にしておくことが、その後の生活を支える土台になると考えられています。動けるうちに運動の習慣をつくっておくことが、早期にできる大切な備えです。
中期(3度):転倒予防とバランス・歩行の安定
中期になると、体のバランスを立て直す反応が弱まり、転倒のリスクが高まります。すくみ足や小刻み歩行への対策、方向転換の練習、立ち座りの安定など、転倒を防ぐための具体的な動作練習が中心になります。理学療法士が動き方の癖を評価し、ご自宅で気をつけるポイントもあわせてお伝えします。
進行期(4度):生活動作の維持とご家族の介助負担の軽減
進行期は、立ち上がりや歩行に介助が必要な場面が増える時期です。この段階では、寝返りや立ち上がりなど生活に直結する動作をできるだけ保つことと、ご家族が介助しやすい方法を一緒に考えることが目標になります。通所が難しくなってきた場合は、訪問リハビリなど自宅で受けられるサービスもあわせて検討することをおすすめします。
櫻井佑樹(理学療法士)パーキンソン病の方は、体をねじる動きが硬くなりやすく、それが歩きにくさや方向転換のしづらさにつながっていることがあります。ジャイロトニック®は、らせんを描くようななめらかな動きで背骨や体幹を動かしていくエクササイズです。体幹の動きを引き出すアプローチのひとつとして、その方の状態に合わせて取り入れています。
保険リハビリと自費リハビリの組み合わせ方

自費リハビリは、保険のリハビリに代わるものではなく、足りない部分を補うものと考えると活用しやすくなります。ここでは、代表的な組み合わせ方を紹介します。
保険リハビリと並行して頻度を補う
医療保険のリハビリを続けている方は、通院のリハビリはそのまま続けながら、空いている週に自費リハビリを入れることで、運動の頻度を増やすことができます。自費リハビリは保険制度の外にあるサービスのため、保険リハビリと並行して利用することに制限はありません。自費リハビリの仕組みや保険リハビリとの違いは、自費リハビリとは何かを解説した記事で全体像をまとめています。並行して利用する場合は、主治医やリハビリの担当者に伝えておくと、内容の重複を避けやすくなります。
介護保険のデイケアと組み合わせる
要介護認定を受けてデイケアに通っている方は、デイケアで生活のリズムや人との交流を保ちながら、自費リハビリで理学療法士とマンツーマンの運動に取り組むという使い方があります。集団での活動と個別の運動、それぞれの良さを活かせる組み合わせです。
ご自宅での自主トレーニングにつなげる
パーキンソン病のリハビリは、スタジオで行う時間だけでなく、ご自宅でどれだけ体を動かせるかも大切です。自費リハビリの時間を、その方に合った自主トレーニングの方法を確認し、見直す場として使うこともできます。
組み合わせ方の一例は次のとおりです。
| 状況 | 保険・介護保険で受けること | 自費リハビリで補うこと |
|---|---|---|
| 症状が軽い早期 | 通院での経過観察が中心 | 週1回程度の運動と自主トレーニングの指導 |
| 医療保険のリハビリを継続中 | 外来リハビリを月数回 | 週1回程度で頻度を補う |
| デイケアに通っている | デイケアを週2回程度 | 月2〜4回の個別の運動 |
大切なのは、どれか一つを選ぶのではなく、今の状態と生活に合わせて運動の場を組み合わせることです。当スタジオの神経系疾患への対応内容は、脳血管障害・神経系疾患のページで紹介しています。
パーキンソン病の方が自費リハビリを選ぶときのポイント

自費リハビリの施設は、得意とする分野や体制がさまざまです。パーキンソン病の方が施設を選ぶ際は、次の点を確認しておくと安心です。
- 神経疾患のリハビリ経験がある理学療法士がいるか
- 主治医と連携し、服薬の状況を共有できるか
- その日の体調や薬の効き具合に合わせて内容を調整できるか
- 発声や飲み込みなど、施設で対応できる範囲を説明してくれるか
神経疾患のリハビリ経験がある理学療法士がいるか
パーキンソン病の動きにくさは、筋力の低下だけでなく、動作の切り替えや姿勢の反応など、神経の働きと深く関わっています。そのため、一般的な筋力トレーニングとは異なる視点が必要です。神経疾患のリハビリに携わった経験のある理学療法士がいるかどうかは、施設選びの大切な基準になります。
主治医(脳神経内科)と連携し、服薬の状況を共有できるか
パーキンソン病は、薬の調整とリハビリが密接に関わる病気です。服薬の時間や薬の変更、オンとオフの状態などを共有しながら運動を進められる施設であれば、より安全に取り組めます。主治医と情報を共有しながら進められるかどうかは、パーキンソン病の方にとって特に大切な確認ポイントです。
体調の波に合わせて内容を調整できるか
パーキンソン病は、日によって、また時間帯によって体の動きやすさが変わることがあります。決まったメニューをこなすのではなく、その日の状態を見ながら強度や内容を調整してもらえるかを確認しましょう。
なお、発声や飲み込みの練習は、主に言語聴覚士が担当する領域です。理学療法士による運動療法が中心の施設では、こうした練習は医療機関のリハビリと役割を分けて考えることが大切です。
よくあるご質問(FAQ)
費用はどのくらいかかりますか?
現在、入会金・事務手数料・解約金は0円です。パーキンソン病など難病の方には、マンツーマンのジャイロトニック®パーソナル・プレミアム(月8回44,000円、有効期限2ヶ月)をご用意しています。週1回程度のペースで通いたい方には、スタンダード(月4回23,000円)も人気です。どのプランが合うかは体の状態によって異なりますので、無料カウンセリングでご相談ください。
保険リハビリに通いながら利用できますか?
ご利用いただけます。自費リハビリは保険外のサービスのため、医療保険や介護保険のリハビリと並行して利用することに制限はありません。並行して利用される場合は、主治医やリハビリの担当者にもお伝えいただくと安心です。
薬の効きが悪い時間帯でも運動できますか?
体が動きにくい時間帯は、無理をせず内容を調整しながら行います。できるだけ薬がよく効いている時間帯にご予約いただくことをおすすめしていますので、服薬の時間をお知らせください。その日の状態によっては、ストレッチなど負担の少ない内容を中心に進めることもあります。
難病の医療費助成(受給者証)は使えますか?
自費リハビリは保険外のサービスのため、難病の医療費助成や医療保険・介護保険は適用されず、全額自己負担となります。費用については無料カウンセリングで丁寧にご説明しますので、通い方とあわせてご相談ください。
家族が代わりに相談してもいいですか?
もちろん可能です。ご本人の体調が安定しない時期や、まだ通うかどうか迷っている段階でも、ご家族だけでのご相談や見学に対応しています。普段の様子や困っている場面をお聞かせいただければ、ご家族と一緒に今できることを考えます。
まとめ|「回数が足りない」と感じたら、運動の場を増やす選択肢を

パーキンソン病は、体を動かし続けることが大切とされる病気です。保険のリハビリは制度上続けられる場合もありますが、回数や形態の制約から、運動量に物足りなさが残ることがあります。
この記事のポイントを振り返ります。
- パーキンソン病では、運動を続けることで症状の改善や生活の質の向上が期待できる
- 保険リハビリは、回数の上限や介護保険への移行で運動量が限られることがある
- 進行度に合わせて、運動習慣づくり・転倒予防・生活動作の維持に取り組める
- 自費リハビリは保険リハビリや介護保険サービスと組み合わせて利用できる
「今のリハビリだけでは足りない」と感じたときは、やめるのではなく、運動の場を増やすという考え方があります。主治医と相談しながら、無理のない形で体を動かし続ける方法を見つけていきましょう。
みなみストレッチスタジオのサポート体制

整形外科に隣接し、主治医との連携を大切にした環境
みなみストレッチスタジオは、岡山市南区藤田にある整形外科隣接の自費リハビリスタジオです。隣接する「みなみ整形・痛みのクリニック」院長で、整形外科専門医・ペインクリニック専門医の高田英一先生に監修医師として関わっていただいています。パーキンソン病の方については、主治医からの情報や服薬の状況を確認したうえで、無理のない範囲で運動を進めることを大切にしています。
理学療法士が評価から指導まで一貫して担当
当スタジオでは、国家資格を持つ理学療法士が、初回の評価からその後の運動指導まで一貫して担当します。体調の波がある病気だからこそ、同じ担当者が継続して体の変化を見ていくことで、その日の状態に合わせた調整がしやすくなります。
サポート体制の特徴は次のとおりです。
- 理学療法士による初回評価と定期的な再評価
- 整形外科専門医が監修医師として関わる運営体制
- 専用マシンを使うジャイロトニック®(パーソナル)と、椅子とマットを使うジャイロキネシス®(グループ)の2つの形式
- ご家族からのご相談・見学への対応
櫻井佑樹(理学療法士)パーキンソン病の方と向き合うときに大切にしているのは、「今日の体」を見ることです。同じ方でも、日によって、時間によって動きやすさが変わります。調子のよい日は少し挑戦し、そうでない日は無理をしない。その積み重ねで、長く運動を続けていただけることが一番だと考えています。
現在オープン記念として通常6,000円のカウンセリングを無料で提供していますので、「今のリハビリだけで足りているのか知りたい」という段階でも、お気軽にご相談ください。
参考文献
- Ernst M, et al. Physical exercise for people with Parkinson’s disease: a systematic review and network meta-analysis. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2024.(パーキンソン病患者に対する運動療法:システマティックレビューとネットワークメタアナリシス)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11001292/
- 厚生労働省東北厚生局「保険診療と個別指導(医科)第8回 リハビリテーション~実施と診療報酬算定の留意事項~」(2025年8月28日)https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tohoku/000412592.pdf



